法改正でどう変わる?沖縄で省エネ住宅を建てるメリット・デメリット

沖縄で新築住宅をご検討中の皆様へ、新しく家を建築するときの基準が法改正により変わったのをご存じですか?
レジ袋有料化や紙ストローの導入が当たり前になりつつある脱プラスチックや地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量「実質ゼロ」を目指した脱炭素など、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みの一環として、2022年に新築住宅の“省エネ義務化”が決定しました。2025年までに新築住宅は「省エネ住宅(省エネルギー住宅)」であることが義務付けられます。

今後の法改正により沖縄で省エネ住宅を建てるメリット、デメリットの変化について説明していきます。

これからの省エネ基準はどう変わる?

2022年に改正された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)により改正前は省エネ適合義務が中規模以上の非住宅に限定されていましたが、改正後は戸建住宅を含む小規模の住宅も対象となりました。

引用:国土交通省 建築物省エネ法について
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutakukentiku_house_tk4_000103.html

それと同時に、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)」における「断熱等級4」であることも義務付けられる為、今後は2022年3月までの最高等級であった「断熱等級4」が最低水準となり、2030年までには義務化の最低ラインを「断熱等級5」まで引き上げることが発表されています。

引用:国土交通省 家選びの基準変わります
https://www.mlit.go.jp/shoene-jutaku/

省エネ住宅とは

暮らしの中で使用するエアコンや照明・給湯・家電などのエネルギー消費量を最小限に抑えるための設備や建築資材を導入した住宅のことを省エネ住宅と言います。

省エネ住宅は、エネルギー消費を抑えるだけではなく、「断熱」と「日射遮蔽」により、
冬は「室内の暖かい空気が逃げず室温がほぼ均一の家」

夏は「太陽光による熱を室内に侵入させない涼しい家」が実現できることから
「省エネ住宅」=「快適な住宅」であるといえます。

ご家庭で使用されるエネルギー量を抑えることで電力量を減らすとともに、その家で暮らす家族も快適に過ごせる、地球にも人にも優しい住宅です。

省エネ住宅の2つの性能基準

省エネルギー性能の評価については、住宅の窓や外壁などの「外皮性能」と、照明、給湯、家電などによる「一次エネルギー消費量」の2つの基準が設けられており「省エネルギー基準」をクリアしているかどうかで評価されます。

基準①外皮性能

外皮とは屋根や外壁、外気に接する窓や床、天井など建物を覆う部分のことをいい、外皮性能は、外皮の断熱性や日射を遮る性能がどのくらいあるのかを数値で表したものを指します。

評価指標として、断熱性を評価する「外皮平均熱貫流率UA値」と日射を遮る性能を評価する「冷房期の平均日射熱取得率ηAC値」があり、家の外の暑さや寒さ、日射の影響で熱を損失せず、温度を一定に保つほど評価は高くなります。

<断熱>

断熱とは、壁、床、屋根(天井)、開口部(窓・ドア)などを通しての室内外の熱の出入りを少なくして快適な住み心地を実現することです。壁・床・天井に断熱材を敷き詰めたり、ペアガラスにしたりして対策をとります。

断熱性能の高い住宅では、冬は暖房で温められた空気を逃さず、室外の冷気から室内を守り、夏は室外の熱が室内に入りにくくなり、快適な室温を保ちます。つまり、冬は暖かく、夏は涼しい状態を維持できるのです。

断熱性能は、「外皮平均熱貫流率UA値」で示されます。
住宅の外皮(床、壁、窓など外気と接している各部位)から逃げる熱損失を合計し、外皮面積で割って求めます。数値が小さいほど省エネ性能が優れています。

<日射>

夏に室内の温度が上がる最も大きな要因が、外部からの日射熱です。
そのため、軒や庇の設置、屋根に遮熱塗料を塗るなど設計・施工の工夫で、住宅に差し込む日射を遮蔽し室温の上昇を抑えることで、冷房に必要なエネルギーを削減する必要があります。

冷房期に室内へ入ってくる日射量を抑える性能を「日射遮蔽性能」といい、日射遮蔽性能が高い住宅では日射による室内温度の上昇が抑えられ、少ないエネルギー量で冷房を使用できるのが特徴です。
夏などの暑い時期に、日射を遮る効果を表した数値を「冷房期の平均日射熱取得率ηAC値」で示します。
入射する日射量に対する室内に侵入する日射量の割合を、外皮全体で平均した値をいいます。数値が小さいほど省エネ性能が高くなります。

この外皮性能基準を数値化し「品確法」によって定められた等級を断熱等性能等級(断熱等級)といいます。
日本は南北に長く、地域によって寒暖差があるためUA値、ηAC値を全国8つの地域に分けて省エネ基準の数値が設けられています。

<断熱等級 基準値一覧>

(引用:国土交通省|住宅性能表示制度の見直しについて)

https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001460573.pdf

基準②一次エネルギー消費量「BEI(一次エネルギー消費量評価)」

一次エネルギー消費量とは、対象の住宅で使用するエネルギー消費量のことで、冷暖房・換気・照明・給湯の4つが対象となりエネルギー量の削減率によって評価されます。太陽光発電などエネルギーを創る設備を導入すれば、エネルギー消費量から差し引くことができます。

一次エネルギー消費量に関する基準は「設計一次エネルギー消費量」と「基準一次エネルギー消費量」の関係性によって決まります。

設計一次エネルギー消費量とは、設計時のおおまかな床面積に応じて計算される電化製品の使用量や削減量の合計値を指し、基準一次エネルギー消費量とは、住宅の地域区分や床面積の条件、使用する設備機器などに応じて決められる、具体的な省エネ基準値のことです。

建築物省エネ法では、住宅の一次エネルギー消費量の基準の水準として「BEI」という指標を用います。BEIは、実際に建てる建物の設計一次エネルギー消費量を、基準一次エネルギー消費量で割った値で評価し、新築される住宅・建築物の一次エネルギー消費量基準に適合となる水準は、BEI≦1.0となります。

(引用:国土交通省|住宅性能表示制度の見直しについて)

https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001460573.pdf

「品確法」によって定められた等級で、住宅のBEI値によって4段階に分類されます。
省エネ住宅の適合となるには「等級4・BEI≦1.0」が最低基準で、「等級5・BEI≦0.9」は 省エネ基準から−10%、「等級6・BEI≦0.8」は 省エネ基準から−20%を達成している住宅であることを示します。
※「等級6・BEI≦0.8」はZEH基準

省エネ住宅のメリット・デメリット

省エネ住宅のメリット

①快適な室温環境が1年中維持できる

断熱性の高い素材で覆うことで、外気温の影響を受けにくく夏は涼しく冬は暖かい住宅環境が実現でき、最低限の空調で快適な室温環境を保てます。

②光熱費削減ができる

消費エネルギーの少ない省エネ住宅は、一般住宅に比べて光熱費を削減できます。
国土交通省の試算によると、平成28年省エネ基準に適合させると、一般的な戸建て住宅(120㎡・6地域)で1戸あたり年間2.5万円の光熱費が削減できるとされています。

③環境にやさしい

省エネということは消費電力量を減らすことであり、地球環境にも優しいのもポイント。化石燃料の使用量や二酸化炭素の排出を抑えることで、地球温暖化対策として有効です。

④健康リスクを軽減できる

省エネ住宅では、温度が変化しやすい水廻りや廊下などでも一定の温度が保たれるため、快適な住環境が確保されるのに加えて、ヒートショックや血圧上昇などの健康リスクを軽減できます。健康的な生活を遅れて、医療費の削減にもつながります。

省エネ住宅のデメリット

設備導入時にはコストアップも

しっかり断熱を行った省エネルギー住宅は一般的に建てられるようになっているので、それによって建築コストが大きくアップするようなことはありません。
しかし、省エネルギー住宅を更に高めて、ZEH住宅などを建築する際は太陽光発電や蓄電池などのエネルギー効率の高い機器やシステムを採用することが求められるため、設備導入コストがかかってきます。

省エネルギーにつながる設備はランニングコストを削減してくれますが、経済的メリットと導入時のコストのバランスをよく検討する必要がありそうです。

沖縄で省エネ住宅を建てるには

沖縄県の断熱等性能等級(断熱等級)は地域8に区分されています。
基準値は、ηAC値が6.7以下(断熱性能等級4以上)、BEI値が1.0以下(一次エネルギー消費量等級4以上)に設定されており、ZEH基準の省エネ性能を目指すにはBEI値0.8以下(一次エネルギー消費量等級6以上)が必要となります。
断熱基準の向上に求められるハードルが他地域と比べて低く設定されているのが分かることから、沖縄県はコストを抑えながら省エネ住宅が建てやすい地域となります。

冒頭でもお伝えしたとり2025年には省エネ住宅が義務化となります。
沖縄県の環境を考えると、日差しが強く湿度が高い、冬においては本土よりは暖かいものの最低気温が15℃を下回り暖房が必要になる日も少なからずあります。
沖縄県の住宅においては、第一に夏の日射を避けること、そして高温多湿な環境化からしっかりと除湿対策を行うことがとても重要となります。

そこでやはり大事になるのが断熱です。
断熱性能を上げることで、夏の強い日射による室温上昇を防ぐことができ、断熱材で家の隙間を埋めることで気密がよくなります。気密がよくなると外からの湿気が流入しにくく、外気の影響を受けにくくなります。
よって、効率よく冷暖房が効き省エネに繋がります。

琉球ストークでは、ZEH水準省エネ住宅を標準仕様とし、壁と天井で高性能グラスウールの貼り分けを行い、断熱性能を上げ、複合サッシ+複層LOW-Eガラスと軒や庇の設置により日射遮蔽性能を上げています。

ご希望がありましたら、ZEH住宅や長期優良住宅の提案もさせていただいております。

省エネ住宅は日々の快適な暮らしだけでなく、環境面でのメリットや、経済面・健康面・住宅の劣化対策でも利点があるため、“地球にも人にも住まいにも優しい住宅”と言えます。
これからマイホームを建てられる方は、ぜひ“住宅の省エネ性”についてもじっくり検討してみてはいかがでしょうか?
ZEH水住省エネ住宅を標準仕様としている琉球ストークへ是非ご相談ください。

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