日本の戸建住宅は主に木造で、その理由は建築コストの安さだけでなく、木材が持つ風合いや香り、温かみに魅力があるからだと思います。
近年、沖縄県でも木造住宅の良さの認知が広まり、注文住宅だけでなく建売住宅も多く見かけるようになりました。その証拠に平成27年度以降は木造の戸数が増加傾向にあり、令和3年度では1,779戸(19.1%)まで増加しています。
これから新築を検討している方へ、沖縄で木造住宅を建てるメリットやデメリットについて説明していきます。
沖縄の住宅建築の背景
昔の沖縄(琉球王国時代)の一般住宅は木造住宅が主流であり、在来軸組工法による住宅建築は戦後もしばらく続いていました。
この時代に建てられた木造住宅は台風や高温多湿の環境化に対応するため、石垣や屋敷林に囲われた風通しの良い開放的な平屋が多く建てられていました。
しかし、アメリカ軍の占領下にあった1950 年代からコンクリートブロック造(CB造)や鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅が推進されるようになり、木造住宅の割合が減少していきました。これは,亜熱帯気候である沖縄では、住宅建築用木材の入手が困難であるのに対して砕石などのコンクリート資材は比較的入手しやすかったことや、台風やシロアリ被害に対してコンクリートの家の方が耐性が強いと考えられていたことなどの理由もあります。
いまだRC造住宅が大半を占めている背景には、台風の影響や建物の強度向上のニーズがあることが挙げられています。
特に、昔の木造住宅は材木が細く、接合部が弱かったことから耐久性に不安があり、漏水などの問題も発生しやすかったようです。
私も12年前に沖縄へ移住した際には木造住宅を探すこと自体が困難でしたし、木造建築で使用する規格建材は探すのに苦労しました(住宅金物はほぼなかったと思います。)
しかし気候環境を鑑みると、一年を通して高温多湿の沖縄こそ木造住宅の住み心地を感じやすい地域はないのではないでしょうか。
沖縄の気候環境に適した木造住宅とは
当社では子育て世帯向け木造住宅をテーマに沖縄の高温多湿な環境下でも家族が居心地よく快適に過ごせることに重点を置き、沖縄の豊かな自然環境の中で光と風を柔軟に取り込んだパッシブ設計を取り入れています。
パッシブ設計とは、太陽の光や熱、自然風といった自然のエネルギーを利用して、快適に暮らすための設計手法のことです。
「断熱」「自然風」「昼光利用」「日射熱利用暖房」「日射遮蔽」の5つの要素を取り入れて
住空間を造ることは住まいの省エネルギー化を叶え「永く住み心地の良い家」を実現します。
引用:沖縄県公式ホームページより
https://www.pref.okinawa.jp/jutaku/hudo/hudo_top.files/bunkatupdf/tebikisyotan20-23.pdf
上図は沖縄県公式ホームページに掲載されている「沖縄の風土に適した住まい」の一部画像です。この図にもあるように、
- 自然風の利用
- 日射遮蔽
- 外壁・屋根などの遮熱
- 開口部の遮熱・断熱
といった要素はパッシブ設計に通じるものがあります。
パッシブ設計は沖縄の気候条件に非常に適した設計手法のひとつと言えます。
沖縄で木造住宅を選ぶメリット
木造住宅の最大のメリットとして価格の安さがあげられます。
鉄筋コンクリート造の住宅やCB造、鉄骨造などと比較検討される方も多いのではないでしょうか。ではなぜ木造住宅は安いのか。
それは木材のもつ性質や木造住宅の構造によります。
構造材となる木の本来持つ調湿効果や断熱性、ぬくもりのある空間は鉄骨造や鉄筋コンクリート造ではないため、別途断熱材や遮熱材、空調機器などを用いて住みやすさを実現するためコストがかかります。
そもそもコンクリートや鉄筋の主要構造材自体が高騰している昨今では、内装材や機能性建材の話の前に原材料単価が違います。
主要構造材の価格が抑えられる分、キッチンやトイレ、お風呂といった住宅設備に予算をかけることが出来るのも魅力だと思います。
他にも木造住宅を建てるメリットは多くありますので、詳しく話を聞きたい方は、ご相談のお申込みください。
沖縄の木造住宅のデメリット
木造住宅は鉄骨構造に比べて強度で劣るとされています。
鉄骨のような金属構造に比べて強度が低い傾向があります。
そのため、大規模な建物や高層建築物などには鉄骨構造が選ばれることが一般的です。
また、木造住宅はシロアリの被害を受けやすいという欠点もあります。
しかし、日本では、木造軸組み構造が伝統的に使われており、長い期間にわたってその実績が積み重ねられています。
木造住宅の耐震性や耐久性については、これまでの経験から得られたノウハウに基づいて改良が重ねられ、高い水準で維持されています。
沖縄でも建築技術や構造材料の進化により、地域環境に適した木造住宅の強度向上や耐震性の向上が図られています。
琉球ストークでは耐震等級3、耐風等級2の最高等級を全棟で取得することを標準化しており、ファーストプランから構造の重要性をご説明いたします。
したがって、木造住宅を選ぶ際にはその特性を理解した上で、地域や用途に合った適切な補強や改良が施されているかどうかを確認することが重要です。
琉球ストークが提供する強い木造住宅の構造「軸組工法」
木造住宅の中でもっとも採用されている代表的な工法が「軸組工法」です。
軸組工法は、在来工法とも呼ばれ、柱や梁を組み合わせて建物の骨組みを作ります。
軸組工法は「柱」や「梁」、そして「筋交い」を組み合わせた『線』構造となります。
以前までは軸組工法は耐震性や耐火性が劣ると言われていましたが、近年は面で支えるという考え方を取り入れた工法が多くなっており、耐震性は向上しています。
耐火性についても「外部からの延焼防止」、「各室防火」、「他室への延焼遅延」により
建築基準法で定める準耐火構造に準ずる防火性能を持つ構造として、住宅金融支援機構が定める基準に適合する住宅(省令準耐火構造)となります。
当社では全棟省令準耐火構造を標準採用しており安心安全な住まいづくりを心がけています。
また省令準耐火仕様により火災保険料の軽減も可能です。
耐震性や耐火性を確保しながら吹抜けや大きな開口部を設けられるような自由度の高い設計を実現しています。
また、28ミリの床合板により床を一体化させた『面』構造の「剛床工法」を採用する事で地震に対する強さ、構造の安定感を高めています。
外周壁にも耐力面材を使用し構造部となる柱・梁・土台を「面」で支え、建物にかかる負荷を「面」で分散できるため、地震や台風の揺れに強い家を造ります。
木造住宅の軸組工法の特徴としてプランと材料の自由度が高いという事と、RC造やその他の工法より比較的安価な費用でリフォームがしやすいという点があります。
新築時の理想の間取りや家事動線ももちろんですが、変化するライフステージに合わせていくことが出来るのも木造住宅のメリットです。
家づくりを計画される中で、ここ最近では木造住宅の構造や工法についてしっかりと調べて深く考えてくださる方が増えているのを実感しております。
琉球ストークでは家族の安心と安全な住まいを一番に考え、皆様が感じている木造住宅に対しての「不安」を「安心」に変えていけるよう私たちも日々勉強しています。木造住宅が少しでも気になっている方はお話だけでも聞きにきてください。
【会社名】琉球ストーク株式会社 代表 川口
【所在地】沖縄県那覇市安謝205番地
【営業時間】8時~17時
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電話:098-863-8643